落ちこぼれ会計人の Music Diary
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KiKi のピアノレッスン その後
究極の自己満足エントリーの駄文第5弾。  その割にはゲストの方の反響もあったりして、ちょっと唖然としています ^^; 。  まあでもやたら長かったこの「KiKi とピアノのお話」には今日で何とかケリがつきそうです(笑)。  毎回、言い続けていますが、今回もむやみに長いです♪  てなわけで、興味のある方は今日も覚悟のうえ「続きを読む」をポチっと押してやってくださいまし~ b-hato4-b.gif



さて、例の調律師さんに紹介された先生です。  残念なことにその先生は今ではもう鬼籍に入られてしまったのですが、東京芸大を出られた作曲を本業とされていらっしゃる先生で、KiKi がお世話になっていた頃にはすでにもうご高齢で歩くのもやっとという風情でした。  もっともとてもお洒落な先生で、いつも首にセンスのよいスカーフを施され、歩く姿こそ年齢を感じさせるものの立ち姿などは凛とされていらしたし、何よりもレッスンへの熱意はすごいものがあり逆に若々しくさえ見えちゃったものでした。  奥様もピアノの先生をなさっていらして、こちらのお弟子さんはどちらかというと小さなお子さんがメイン。  KiKi が師事することになった先生のお弟子さんは音大生とか音大を目指していらっしゃる方、そして KiKi と同じようにどうしてもピアノが捨てられないレッスン歴の長~い大人の生徒さんが多かったようです。

KiKi は過去のカルチャー・センターでのレッスンの失敗の経験もあるので、最初にお目にかかったときに先生に自分がやっていきたいレッスンについて色々とお話させていただきました。  曲を次々とこなすのを急ぐレッスンではなく、自分が納得できるような演奏ができるまでじっくりと取り組むレッスンでありたいということ、とは言え所詮趣味のピアノだし社会人としての生活と両立させなくてはならないから、音大受験生のようなカリキュラムでは長続きしないだろうということ、きっちりともう1度基礎から復習し直し、一生の趣味として続けていけるようなレッスンでありたいこと、etc. etc.  で、色々お話した結果、とりあえずの課題は「ハノン」「ツェルニー50番のエチュードの続きから」「シューベルトの即興曲」ということでレッスンを始めてみることになりました。  レッスンの頻度はとりあえず2週間に1度、1レッスン1時間です。

で、最初のうちはね、懐かしいハノンやツェルニーもあって、シューベルトの即興曲も技巧的な難易度はさほど高くないし、レッスンそのものもちょっとデ・ジャ・ヴ感があって、KiKi も安心してすご~く楽しんでいたんです。  でもね、暫くすると KiKi は自分の考えがいかに甘かったか、思い知らされることになってしまいました。  落ちこぼれとは言え会計人としてかなり多忙な日々を送っていた KiKi がイメージしていたレッスンは少ない課題(それもできれば小品)をコツコツと地道に仕上げていくそんなレッスンでした。  でも、その先生はそんなのんびりムードを認めてくれるほど甘くはありませんでした。  「すべての音楽の基本はバッハです。  そろそろバッハも加えましょう。  昔もやっていたでしょう??」の一言でまずバッハの平均律が追加されました。  「ツェルニーも続けなくちゃいけないけれど、音楽のエチュードもやった方がいいですね。」の一言でショパンのエチュードが追加。  挙句、「曲は曲の全集を通して演奏して初めて形になるのです。」でシューベルトの即興曲は作品番号のかたまりで全曲(4曲)になり、「演奏テクニックだけではなく楽理をおろそかにしてはいけません。」で、楽典の宿題が加わり・・・・・。  これってまともに練習すると毎日課題を1回通して弾くだけで1時間近くかかっちゃうよ・・・・・ ^^;  

たまらず KiKi が「先生、仰ることはよくわかるのですが、私は所謂アマチュアですし、趣味で音楽をやっているだけの人間なので楽しく音楽ができればそれでいいんです。  音楽を極めようと思っているわけではありません。  少し課題を減らしませんか??」などと言ってみたりもしたのですが「音楽をやる者にプロもアマチュアもありません。」「できないことを要求しているわけではありません。」などとこれまたイヤミなくらい静かな口調で仰って、とりあってもくれません。

そのうえある課題がひと通り弾けるようになると決まって仰るのは「あとはあなたがこの曲を自分のものとし、自分の声として奏でられるようにあなたの中に染みこませ、熟成させるだけです。  もう暫くしたらもう1度弾いてもらうことにしましょう。」などと仰って次の課題を与えてくださいます。  でそんなことは忘れかけたある日に突然、「もう暫くしたら」のその時が訪れ、その時点で与えられていた課題を見ていただいた後で唐突に「そうだ、○○を聞かせてください。」などと仰るので練習しなくてはいけない曲の量は雪だるま式に増えるばかり・・・。(さすがにそんな曲は毎日は練習しないけれど・・・・。) 1レッスン1時間だったはずのレッスンがふと気がつくと、2時間になり、2時間を超え・・・・。(レッスン代は変わらなかったから得した・・・とも言えるんだけど・・・。)
  
「こんなはずじゃなかった・・・・」

何度も何度も「先生、申し訳ありませんが暫くレッスンをお休みしたいのですが・・・」という言葉が口から出てきそうになりました。  でもね、ここでお休みしてしまっては又元の木阿弥になってしまう・・・・ということに、さすがの KiKi もその頃には気がついていました。  だって、KiKi はカルチャー・センターのレッスンはイヤだったんですもの。  ある意味で自分自身が好き好んで厳しいレッスンを求めたんですもの・・・・。  KiKi はもう1度先生の言葉を自分の中で反芻してみました。  「できないことを要求しているわけではありません。」  つまり、先生は勝手に「できる」と思っているわけです。  で、逆に KiKi は勝手に「できない」と思っているわけです。  そうなってくると根っこが負けず嫌いの KiKi のこと。  

「先生ができると思っているんだったら、やってやろうじゃないのさ!!」  

まあ、要は「気の持ちよう」っていうヤツです ^^; 。  できなきゃできないでいいんです。  アマチュアですから!!(笑)  それに KiKi はその先生のこともその厳しいレッスンも根っこのところでは大好きだっていうことに気がついちゃっていました。  で、結局 KiKi は遂に最後まで「暫くお休みする。」という言葉を実際に口にすることはありませんでした。  あ、もちろん仕事が忙しいときに1週間ずらしてもらうとか、体調が思わしくない日に延期してもらう・・・・なんていうことはしょっちゅうあったけれど・・・・。  それに、その先生についていた頃は、KiKi のお仕事の責任も、まだまだ楽チンな方でしたから・・・・。

その後いろいろあって、たまたま引越ししなくてはならないことになって、その先生のお宅には通いきれない状況になるまで2年ほど、 KiKi は2週間に1度の日曜日にその先生のお宅を訪ねていました。  その先生についていた頃の「レッスン備忘録」を見るとあの頃の厳しかったレッスンが昨日のことのように思い出されます。  さて、その先生が KiKi のピアノを聴いて毎回毎回まるで口癖のように仰っていたのは「あなたはフランス音楽向きの音を持っていますね。」「あなたの音にはドビュッシーの音楽が似合うと思いますよ。」「ラヴェルもいいと思うんですけどね~。」「フォーレなんかどうです??」ということでした。  でも当時の KiKi はフランス音楽があまり好きではなく、先生がそう仰る度に「いえ、先生。  私はベートーヴェンやブラームスやシューマンが弾きたいんです。」と反抗ばかりしていました。  すると先生はこれまた毎度、残念そうに「そうですか、いいでしょう。  でもあなたはいつかきっとドビュッシーやラヴェル、フォーレを心から愛するようになると思いますよ。」と仰っていました。

数年前その先生がいよいよ危ないという時期が来たとき、年賀状だけはやり取りしていた KiKi のもとに先生の奥様からご連絡を頂戴しました。  その手紙を見て初めて先生が入院されていることを知った KiKi は大急ぎで病院にお見舞いに伺いました。  病床の先生は KiKi のことをまだ覚えていてくださり、不肖の弟子を昔と変わらず優しい眼で見やりながら静かな声で仰いました。  「そろそろ、ドビュッシーやラヴェル、フォーレがいいと思い始めていませんか?」  不思議なもので、その頃の KiKi がもっとも弾きたいと思っていたのはフォーレの音楽でした。(今もそうなんだけど・・・) 「ええ、先生。  本当に今の私ならフォーレを弾きたいと迷わずお返事するでしょう。」と申し上げると「あなたの音にフォーレはよく似合うと思いますよ。  あなたのフォーレを1度聴いてみたかった。」と満足気に頷かれました。  そして「ラヴェルが弾きたくなるのにはもう少し時間が必要なのかもしれませんね。」といたずらっぽく微笑まれました。  先生にお会いしたのはそれが最後でした。  残念ながら KiKi は今でもラヴェルの曲にはできれば関わりたくありません・・・・ ^^;  (聴く分にはいいんだけど・・・・。)

さて、現在の家に引っ越してきてからも KiKi は2人の先生にレッスンをつけていただきました。  もちろん時期をずらして1人ずつだし、2~3週間に1度というサイクルのレッスンであることにも変わりはありません。  2人になっちゃったのは最初の先生と相性が悪かったとかそういうことではなくて、KiKi のお仕事の責任がどんどん重くなって、しょっちゅう海外出張に行かなきゃいけなくなってしまったり(何せ外資を渡り歩いているもので・・・ ^^;)、長期のプロジェクトを任されて休日出勤が当たり前みたいな生活になっちゃったりして、レッスンに通う時間が捻出できなくなっちゃったりして已む無く中断・・・・なんていう局面が出てくるようになっちゃったんです。  で、お休みしている間にその先生が引っ越されたりなんていうことがあったりして・・・・。  こうして今も細々と・・・・ではありますが KiKi の音楽修行は 中断 - 再開を繰り返しながらも続いています。  

でもね、こうなってみると KiKi は高校生のときに反発したあの武蔵野音大の大先生の言葉が何となく懐かしく思い出されるのです。

「一生を音楽に捧げることは素敵なことですよ。」

今の KiKi は一生の全てを音楽に捧げているわけではないけれど、あくまでもアマチュアの音楽愛好家ではあるんだけど、でもあの時1度は捨てたはずのピアノを弾きたいがために結構色々な紆余曲折を経ながらもお金と時間と労力を注いできている自分に気がつくんですよね~。  案外 KiKi の人生のかなり多くの部分は音楽に捧げているような気がしないでもない・・・・ ^^;  

さて、明日も頑張って(?)ピアノの練習をしなくては・・・・。  今の先生の課題も盛りだくさんで KiKi はふぅふぅ言ってます。  でも楽しい音楽とのお付き合いはまだまだ続きそうです♪    


KiKi とピアノのお話は今日でとりあえず一段落です。  次回からは KiKi の音楽鑑賞の歴史を自分なりに振り返ってみたいと思います♪  

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