落ちこぼれ会計人の Music Diary
今日の KiKi の BGM はこんな感じ・・・・
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モーツァルト リート集(すみれ K.476 他)
「勝手にモーツァルト週間」最終日。  本当は今日の予定は「レクイエム」だったんです。  でもね、昨日こってりフル・コースみたいな「ドン・ジョヴァンニ」と「トリスタン」の情念と官能の世界を堪能しちゃった KiKi の今日の気分はどうしても「レクイエム」に向わないのですよ、これが・・・・ ^^;  で、何だか無性に聴きたくなっちゃったのがダンベルドアさんのこのエントリーに触発されて先日10年ぶりぐらいに聴いたモーツァルトのリートの世界。  てなわけで今日の KiKi の BGM はこちらです。  (とうとう初志貫徹はできなかった・・・ ^^;)

モーツァルト リート集(すみれ K.476 他)
LASERLIGHT COCO-78062 演奏:白井光子 (Ms) & ヘル (p) 録音: 1985年8月 & 1986年5月

CD17_2.jpg


これはずいぶん前に日本コロムビアから「プロミネント1000シリーズ」の中の1枚として発売された廉価盤です。  KiKi はモーツァルトのリートに関しては子供時代にはシュヴァルツコップ盤を、長じてLP時代にはアメリング盤やシュライアー盤を聴いてきたんだけど、多分シュヴァルツコップ盤は実家の押入れか屋根裏収納室に今でも置いてあるとは思うんだけどそれ以外はすべて LP → CD 乗り換えプロジェクトの際に手放してしまいました。  で、手持ちのモーツァルトのリートの CD が1枚もない状況がしばらく続いて、そんなある日この廉価盤シリーズが発売されました。  で、1枚ぐらいはやっぱり手元に持っておきたいと考え、その場で衝動買い。  白井光子さんの歌は結構好きだし、伴奏は夫君のヘル氏だし・・・・。  購入した直後はそれでも何回か聴いたけれど、どんどん増え続ける新しい CD によって CD 棚の奥へ奥へと押し入れられ、最近ではほとんど聴いていませんでした。  久しぶりにこの CD のことを思い出したのはひとえにダンベルドアさんのおかげです♪  ダンベルドアさん、ありがとう b-hato4-b.gif



まずはこの CD に収録されている歌を列挙しておきましょう。

1. 静けさは微笑みに K.152(210a)
2. 寂しい森の中で K.308(295b)
3. 鳥たちよ、毎年 K.307(284d)
4. 夢のすがた K.530
5. かくしごと K.518
6. クローエに K.524
7. ルイーゼが不実な恋人の手紙を焼いた時 K.520
8. 別れの歌 K.519
9. 孤独に寄す K.391(340b)
10. おいで、いとしいツィターよ K.351(367b)
11. 魔法使い K.472
12. かわいい紡ぎ娘 K.531
13. 春への憧れ K.596
14. すみれ K.476
15. 春(のはじめに) K.597
16. 満足 K.473
17. 夕べの想い K.523
18. 私は小道に立ちくれて(希望に寄す) K.390(340c)
19. 職人の行路の歌 K.468
20. 満足 K.349(367a)
21. 私はひとりぼっちで K. Anh.26(475a) (断片)


すべての曲の感想を書くとあまりにも冗長になってしまうので、今日はこの中から1曲だけとりあげてコメントを書こうと思います。  で、KiKi がとりあげるのは14トラック目に入っている「すみれ」です。

この曲はすご~く思い出深い1曲なんですよね。  と言うのも、KiKi が「歌;リート」の世界に目覚めたのは実はこの歌なんですよね~。  この曲を初めて聴いたのは小学校の音楽の時間(ひょっとするとその後で先生にねだって個人的に聴かせてもらったときかもしれないけれど)だったと思います。  いずれにしろその時まで「歌=音楽の時間に習う歌」もしくは「歌=みんなの歌」だった KiKi はこのリートを聴いたときものすご~い衝撃を受けたんです。

言葉の意味はわからないなりにこの音楽の持つ何だかよくわからない劇的な状況に強烈に惹かれました。  冒頭ののどかなピアノ伴奏、高原の風を思わせるようなすがすがしい歌。  平和な気分に満たされたその時、いきなり訪れる転調。  子供心に切なさってこういうものかと思いました。  でもどことなくうっとりする気分が訪れ・・・・  ところが、突然何か事件が起こったことを思わせるピアノの音色。  更には静かな半音階下降音型が奏でる哀しみ。  そしてまた冒頭に戻ったかのような平和な気分。  

これはいったい何なんだ??

で、音楽の先生にお願いしていわゆる歌詞カードを見せてもらいました。  そこに書かれている詩を最初に読んだとき、KiKi は人前にも関わらず思わず涙ぐんでしまいました。  この詩がゲーテの作であることを知ったのはそれからずいぶん後のこと、この音楽にあまりにも感銘を受けた KiKi が母におねだりして、上でちょっと触れたシュヴァルツコップ盤の LP を買ってもらって何度も何度も聴くようになった時でした。  今回久しぶりにこの曲を聴いてみたら、さすがに人生で最初にこの音楽を聴いたときほどは心を揺すぶられることはなかったけれど、甘い感傷にも似たような気分で満たされました。

1本のすみれがひっそりと咲いていた
身をかがめ とても愛らしいすみれだった
そこへ若い羊飼いの娘がやってきた

軽やかな足取りで 歌をくちずさみながら
”ああ!”とすみれは思った
私がこの世で一番美しい花だったらよかったのに
ほんの少しの間でも あの娘に摘まれて 胸におしあてられて
ほんの少しの間 たった15分だけでもいいから・・

ああ、それなのに! 娘はやってきたが すみれには目もくれず
かわいそうなすみれを踏みつけてしまった
すみれはつぶれ息絶えたが それでもうれしかった
あの人に踏まれて死ぬんだから!と

哀れなすみれ・・
それは本当にかわいらしいすみれだった


因みに、ものの本によればこの詩の最後の2行、これはゲーテの原詩には書かれていない詞(ことば)なのだそうです。  すみれが憧れていた娘ゆえに死ぬことを最後の瞬間まで喜びととともに噛み締めている、そんな情景をちょっと俯瞰して省察する視線。  もちろん音楽上の必要があって付け加えた詞(ことば)ではあるけれど、モーツァルトの物事に対する視点・・・というか立ち位置、もっと言えば死生観をも象徴しているような気がするのは KiKi の思い過ごしでしょうか??

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