落ちこぼれ会計人の Music Diary
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シューマン ピアノ・ソナタ第2番 Op. 22
しばらくピアノ曲から離れていたので、こちらを訪ねてくださっているお客様もすっかりお忘れだろうと思うのですが、実は細々と続いているんですよ、「ピアノ・レッスン曲選抜音楽鑑賞プロジェクト」。  6月後半から長引く風邪のために練習自体が滞ったり、ただでさえ頻度が低いレッスンそのものをお休みしたりしていたので、なかなか進捗していないんですけどね。  以前、このエントリーにも書いたようにできれば今度は久しぶりに「ピアノ・ソナタ」に取り組んでみようと考えている KiKi なのでひたすら「ピアノ・ソナタ」ばかり聴いているんですけどね♪

で、今古今東西の「ピアノ・ソナタ」の中で候補として残っているのはざっと以下のような感じです。

モーツァルト  ピアノ・ソナタ第18番 K.576
ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第30番~第32番のいずれか
          (Op. 109, 110, 111)
シューマン   ピアノ・ソナタ第2番 Op. 22
ブラームス   ピアノ・ソナタ第3番 Op. 5


モーツァルトは今年が「モーツァルト・イヤー」だからと無理やり選んだ1曲。  本質的にモーツァルトのピアノ・ソナタとはあまり相性がよくない KiKi が全曲聴いてみた中で比較的「弾いてみたい度」が高かった音楽です。  でもね、この曲だったらもっと年をとってからでもいいような気がするんですよね~。  ベートーヴェン後期は昔からの憧れ曲だけど、先生がさらっていらっしゃるからできれば今は触れたくないなぁ。  シューマンもこれは1度は弾いておきたい曲だけど、これだったら「クライスレリアーナ」にいきたい気もするし、それだけは避けておきたい気もするし・・・・。  ブラームスも昔からの憧れ曲だけどこのエントリーにも書いたように夏場の練習には向かないような・・・・ ^^;

てなわけで、相も変わらずまるでブラームスみたいにウジウジ・グタグタと考えている KiKi なのです。  てなわけで、今日は上のリストの中から1曲選んでじっくりと聴いてみることにしました。  選んだのはこちらです。

シューマン ピアノ・ソナタ第2番 Op. 22
EMI TOCE-7733 演奏:リヒテル(p) 録音:1962年10月~11月

Richter_Schumann.jpg



KiKi が持っているCDと↑の画像とはちょっと違うんだけど、中身を確認した限りでは収録されている曲も年も場所も同じだから、まあ同じものだろう・・・・ということでこの画像をご紹介しておきますね。

シューマンは3曲のピアノ・ソナタを残しているけれどその中でもっとも親しまれ演奏される機会も多いのがこの第2番だと思います。  (事実、KiKi が持っている春秋社発刊の「ピアノ・レパートリー事典」にも3曲のうちこの曲しか載っていなかったりします。)  子供の頃、お友達のピアノ発表会でこの曲を聴いていたく感動した KiKi は当時習っていた先生に「次の発表会ではこの曲を弾かせてください!」とお願いしたことがありました。  でもその先生は「シューマン嫌い」の先生だったので、KiKi の願いは呆気なくも却下されてしまったのですけれど・・・・ ^^;  因みにこの曲、シューマン夫人のクララも大好きだったそうです。

先日来、この曲は楽譜を見ながら聴いているのですが、第1楽章に「どうせいって言うんじゃぁ~!!」と叫びたくなるようなことが書かれていました。(終楽章にも似たような記述あり。)  まず曲の冒頭に「So rasch wie moglich」(できるだけ速く」って書かれているんですよね。  できるだけ速くっていうことはすご~く速く、as much as possible っていうことだと思うわけですよ。  ところがこの楽章の後尾のコーダ部分に「もっと速く」って書いてあって、さらには最後の最後には「さらにもっと速く」って書いてあるんです。  最初からできるだけ速く弾かなくちゃいけないのに「もっと速く」とか「さらにもっと早く」って何だよ???っていう感じがしないでもない ^^;  最初が「ちょっと速く」じゃなくて「できるだけ速く」なんだから・・・・。  「あれ~、そんなご無体な・・・・」っていう感じ??(笑)

シューマンって法律を学んで、文筆でご飯を食べていたこともあったりしたくせに非論理的なことを書くなぁ・・・・と思っちゃう。  ま、要は「高揚していけよ!!」っていうことだとは思うんですけどね。  さすがロマン派。  気分・・・というか雰囲気でものを言っているのがよくわかる・・・・ ^^;

第1楽章の和声はいかにもシューマン。  冒頭から出てくる下降音階風の動機が全曲とおしてこの曲を支配しています。  でもね、第1楽章はある意味ではとっても断片的。  「ピアノ・ソナタ」というがっちりした構成感の音楽がどちらかというと苦手だったシューマンらしく、あたかもスーパーの食品売り場のつまみ食いか、蚤の市かっていう感じでゴチャゴチャと色々な断片が出てくるんですよね~。  一貫しているのは気分だけ・・・・みたいな感じ(笑)。  そして第2楽章のアンダンティーノは歌曲風。  ・・・・と、思ったらこれはシューマンの歌曲「秋に」をベースにしている音楽だったんですね~。  この楽章の後半は変奏曲になっています。  ここはいつ聴いてもええのぉ~漣  この趣がちょっと名残惜しいんだけど、それを吹っ切るかのようにシューマンお得意の「組曲」同様ほとんど間をあけずに流れ込むスケルツォ(第3楽章)。  

ここも「きわめて急速に明瞭に」です。  はじけちゃっています。  そして KiKi が愛してやまない終楽章、ロンド。  このもつれ加減はシューマンにしか書けないよなぁ・・・・。  ころころと転調を繰り返しつつ、こちらも第1楽章同様、まるで何かにせきたてられるかのように高揚していくんだけど、高揚したかと思うと思索に耽り感傷に浸る・・・・。  いえね、こういう音楽を弾く時は様々な感情を短時間の間に凝縮させてわ~っと出さなくちゃいけないから、辛いときはものすご~く辛いんだけど、乗っちゃうと気持ちよかったりもするんですよね~。  

リヒテルのこの演奏はこの曲の録音の中では、か☆な☆り 好きな KiKi なんだけど、残念なのはライブ録音なので特に第2楽章や終楽章の静かな部分でノイズや会場の咳なんかを拾っていて、それが若干耳障りなこと。  もちろんライブだからこその高揚感・・・・っていうのもあるわけで、この曲を支配している「ある種の悲愴感」はスタジオ録音だったらここまでクリアに高揚してこなかったのかもしれないのですけどね。

ところで・・・・。  この↑の画像を入手するために Amazon を訪れてみたのですが、そこのカスタマー・レビューの中に、最近このCDを購入しようと考える人のほぼ半数ぐらいは「のだめ」の影響なのではないかと仰っている方が・・・・。  しかも、Amazon ご推奨の「あわせて買いたい」のところを見るとこれとあわせて買うのが「ストラヴィンスキー ペトルーシュカからの3楽章 by ポリーニ」なのだそうな・・・・ ^^;  なるほど、すごい「のだめ効果」ですね~。  

因みにこの2枚はピアノ・レスナーにはどちらも衝撃をもって迎えられた名盤だったのですよ。  ただ当時は、必ずしも大衆的とは言えませんでしたね~。  でもニュースバリューはとっても高かったんですよ。  方や「鉄のカーテンの向こうの伝説のピアニスト、西側へ登場!」だったし、方や「ショパンコンクール優勝以来、姿を消していたピアニスト、音楽界へ再登場!」だったしね。  クラシック音楽ファンの中のピアノ音楽好きにしか注目されていなかったこういう録音が漫画の影響で市民権を得る(?)とは、世の中何が起こるかわからないものですねぇ・・・・(笑)。

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