さて、レスピーギのローマ三部作の最終曲をエントリーする日がやってまいりました。 最後を飾るのは「ローマの噴水」です。 てなわけで今日の KiKi の1曲です。
レスピーギ 交響詩「ローマの噴水」 DG POCG-9269 演奏:小沢征爾指揮 & ボストン交響楽団 録音:1977年10月

この曲はね、水を扱っているから・・・・というわけでもないのだろうけれど、どことなくフランスものに近い香りがするような気がするんですよね~。 印象派的とでも言いましょうか・・・・。 水、光、運動。 印象派音楽のキーワードだと思うんですよね。 作曲者自身も言っています。
ローマの4つの噴水を、その特徴と周囲の風景とが最も調和する時間、あるいはその美しさが最も印象的に見える時間に心に受けた感情と幻想を表現しようとした。
と・・・・。
それはさておき、レスピーギのローマ三部作のすごいところって、KiKi はそれぞれの音楽の紡ぎ方にもあるような気がするんですよね。 「ローマの松」に関しては KiKi はそれをエントリーの中で文章化してご紹介したつもりなんだけど、例えば昨日の「ローマの祭り」に関して言えば、時代順に並んでいて「ローマのキリスト教史」っていう感じがしないでもない。 で、今日の「ローマの噴水」は、夜明け → 朝 → 昼 → 黄昏 と一日の時間を追っているわけですよ。 でね、KiKi が深読みするに、なぜ「噴水」なのかを考えてみると、レスピーギはそこにさらに追加で謎かけをしているような気がするんですよね~。
ローマといえば「街道建設」と同時に「水道建設」でも有名な古代国家でした。 恐らくレスピーギはここでローマ文化の1つの象徴として水道をイメージしていたんじゃないかと思うんですよね。 その根拠は以下のご紹介記事の中で明らかにしていきたいと思います。
因みにレスピーギが生きた時代がいつなのかを調べてみると1879年~1936年。 世界史の年表と比べてみると帝国主義の真っ只中で生を受けます。 さらには第一次世界大戦、ヴェルサイユ条約を経て、イタリア・ファシスト党が成立してムッソリーニが台頭してきた時代を生き抜きました。 かつての偉大なるローマ帝国の末裔たる自分たちイタリア人が政治的にも経済的にも弱体してしまっている現状を憂い、その想いが民族主義的な国威発揚とリンクしてしまった、そんな時代。 栄光のイタリア復活を願う想いが、同じく「古代ローマ帝国の復権」を訴えた独裁者、ムッソリーニの立ち位置に共感を覚えても不思議ではありません。 (そうやって考えてみるとローマ三部作が作を追うごとにどんどん巨大にそして派手(?)になっていくのもわかるような気がします。)
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テーマ:クラシック - ジャンル:音楽
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